制作後記(2009/2/13)※毎週金曜日更新

佐山典正
 夜、乃木坂あたりで乗ったタクシーでの出来事。「研修中」という黄色い腕章をした中年ドライバーに行き先を告げ、メールをしようとケータイを持ったところで、「飴どうですか?」と小声とともに飴の缶が差し出された。走行中だったので「あぶねぇなぁ」と思いつつ、缶を見たら、助手席から伸びた手が持っていた。ギョッとした。助手席に小柄なおっさんがいた! 中年ドライバー同様に前方だけを見つめ、その背中に「けっこうです」と返事をしたら、缶をゆっくり引っ込めた。その後、いや~な無言状態に突入した。
 タクシーはナビ付きで、目的地設定はしていない。中年ドライバーは、信号で止まる度にひたすらナビをタッチして拡大、縮小を繰り返している。目的地までのルートをドライバー任せにしたのを後悔した...。中年ドライバーは、助手席のおっさんに聞くことなく(研修は聞けない?)、同じ車線をかたくなに走行。一方、助手席の人は、私に気づかれないように、曲がるポイントの手前で、頭を動かさずに曲がる側の手を少し上げている。中年ドライバーは慌ててハンドルを操作。ルールのようである。タクシーはその方向へ必ず曲がる。私はケータイを握りしめたまま目的地に到着。メールどころではなく、緊張の15分だった。

杉山 聡
 空いた時間にたまたま見た映画「K-20 怪人二十面相・伝」。最後まで飽きさせないシナリオ、邦画離れしたスケールのワイヤーアクション、架空都市・帝都や架空の乗り物など美術へのこだわりなど、見所たっぷりでした。あまり期待していなかった分、見た後の満足感も倍増でラッキー。前から感じてたことですが、松たか子さんのコメディーのセンスって、改めてスゴイと思いました。